お金持ちが現物資産に投資する理由は、時代が変わっても価値が下がりにくいというメリットがあるからです。
現物資産とは、資産価値のあるもののことを指します。
古い書画・骨董や有名な人が作った作品などは価値があるものとして、値段も上がり続けます。
景気や株価に影響しないのかというと、多少の影響は受けます。
しかし、景気が良ければ値段は上がりますが、景気が悪くても価値は下がりにくいという特徴があります。
現物資産は安定して価値があるので、お金持ちが好んで資産運用する対象になっています。
また、海外からも投資も含めて日本文化に関心が高まっています。
2016年、お金持ちが投資の対象とする現物資産を、株の上がり下がりのシナリオで読み取ってみましょう。
現物資産/株価が下がった場合のシナリオ
2月にはアメリカも日本も利上げはありませんでした。
今年になってから中国の景気減速や原油安、日銀のマイナス金利政策などが要因となって世界中で株価が暴落しています。
日本の株も底値を売ったわけでなく、まだまだ下がる可能性もあります。
お金持ちの人たちは、景気が冷え込み、その状態が続けば株を売って別の試算に投資するでしょう。
その対象の1つが現物資産で、数が限られているので価値が下がることはありません。
今年、景気の冷え込みが長引けば、現物資産に資金が流れて価格が上昇することが予想されます。
現物資産/株価が上がった場合のシナリオ
アメリカが昨年末に行った利上げを今年も続ける判断をすれば、アメリカ経済が好調な証で、そうなれば日本株の株価も回復するでしょう。
株で利益が出ると、株以外の資産に分散投資する動きが加速します。
結果、現物資産の価値はさらに上昇します。
過去の例では株価の上昇に遅れること半年くらいで価格が上昇し始めるので、現物資産にも注目です。
すでに金に投資する流れが見え始めています。
今年現物資産の相場が上がるとすれば9月頃に注目です。
株が上がろうが下がろうが、あまり影響されることなく、価値が変わらないのが現物資産です。
今注目されている現物資産3つを紹介しましょう。
2016年お金もちが注目する現物資産
■ 宝石
今お金持ちが買ってるのはルビーとスピンネル。
赤い宝石が好きな中国人が爆買いしていることもあり、値上がりしています。
ルビーやサファイヤなど、加熱処理をしなくても結晶そのものが美しい非加熱コランダムは、希少性が非常に高く、高値での取引が行われています。
■ 金貨
古くから金貨はお金持ちの投資対象になっている資産です。
注目されているのが、今はまだ安いが値上がりしそうなスペイン系の金貨です。
スペイン本国で16世紀に作られた1エスクード金貨や中南米の植民地で造られたものなどです。
昨年バミューダ海域で難破した船の中から18世紀のコンビア製スペイン金貨などが発見されて話題になりました。
発見された金貨は無傷の状態で、その価値は1枚約100万円にもなるそうです。
■ 茶器
今、世界的に日本の美術品が注目されています。
日本の伝統文化や和食などに関心が集まっていますが、円安が追い風になっているようです。
狙い目は、海外ではまだその価値が十分に知られていない抹茶茶碗などの「茶器」です。
日本全国には多くの窯がありますが、中でもオススメなのが”萩焼”です。
私も何点か持っていますが、日本の美意識の1つでもある、わび(侘)・さび(寂)の心が強く感じられるのが萩焼で、海外でも人気になりつつあります。
代々受け継がれてきた窯の中でも注目は「田原陶兵衛」です。
人間国宝の11代三輪休雪は高すぎて手が出ませんが、12代田原陶兵衛の作品は評価が高いにもかかわらず、まだ値段が上がっていないので狙い目です。
投資目的抜きにしても、しっとりとした肌合いの器を眺めていると気分が落ち着きます。
今お金持ちが注目しているこれら3つの現物資産は、価値が下がることはありませんし、今後さらに価値が高まるでしょう。
お金持ちの人たちは、代々受け継がれてきた資産を減らさないための知恵を知っています。
私たちもお金持ちの知恵を借りて、短期的な投資目的ではなく、長期的な視点で現物資産を見直してみましょう。
ただ、これらの現物資産をお金に換える際には、専門店やオークションなどで売却する必要がありますので多少の時間がかかることも知っておきましょう。
換金の手間はかかりますが、資産の1つとして持っておいても損はないでしょう。